--サマー2000シリーズ開幕!-----

 先週に引き続き、今週はいよいよ中距離王を決定するサマー2000シリーズ(以下、サマー2000と称す)が開幕を迎える。このシリーズはある意味、サマースプリントシリーズ(以下、サマースプリントと称す)よりも陣営間の駆け引きが明るみになるかもしれない。その背景には、チャンピオンを決定付ける評価方法がある。
 このシリーズはポイント制を導入し、その総合ポイントでチャンピオンを決定する仕組みになっている訳だが、グレードが高いレースほど、ポイント加算が多くなる。つまり、この時期で言うGUになる。
 ではなぜ、両シリーズともGUは5レース中1レースと条件は同じながら、サマー2000の方が、サースプリントよりも陣営間の駆け引きが明るみになるかと言うと、それは開催されている期間にある。
 サマー2000はサマースプリントよりも、スタートが1週遅く、それでいて2週早く最終戦を終える事になる。しかし、陣営サイドは、そのような状況下でポイントを如何に1ポイントでも多く加算させるかが鍵となる。しかしながら、レース間隔が近い為にローテーション的に、どこのレースで勝負に出るかが勝負の行方を大きく左右するはず。かと言って、ポイントがより多く加算されるGU(サマー2000では札幌記念)に照準を合わせるという事は、どの陣営も考える範囲であり、あまりにも安易過ぎる反面、裏をヨンでいくという事も考えられる。よって、このシリーズで馬券を獲る為には、どの陣営が、どのような駆け引きを行い、どのような形で仕掛けてくるかを探り、把握するかが最大の勝負どころと言えるのではないだろうか。

--サマー2000緒戦「七夕賞」の勝負どころ-----

 このレースのポイントは、春のGT戦線が終了し、殆どの有力馬は秋に向けて休養する時期である反面、既に秋のGT戦線に目標を定め出走してくる有力馬が、この時期には珍しく比較的多く出走するという事である。ところが年々、出走馬の顔ぶれが変わらなくなり、平均馬齢が上昇傾向にある。したがって、近走好成績を残した馬であっても、年齢的な衰えや肉眼では気づかない疲労がある事も十分視野に入れておく必要がある事は言うまでもない。
 そのような中、出走馬の状態面から今年に全てを賭けてくる陣営がいる事を忘れてはならない。その陣営の本音としては、「馬の状態は今年がピーク。秋にむけて1戦1戦が大事であり、勝負でもある。今年から始まるサマーシリーズの事は全く考えていない。とにかく、勝ちにいくだけ。」という事だけである。まさに本気モードそのもの。この陣営こそ、七夕賞の主役になると言って良いだろう。