--波乱必至のダービー卿CT!-----

 今週安田記念の前哨戦であるダービー卿CTが行われるが、今年の同レースは競馬的妙味としては全く感じられないが、馬券的妙味としては実に興味深い。平成14年以降にハンデ戦となったわけだが、ハンデ戦になってからというもの1人気の連対が皆無であり、その反面、人気薄の馬が絡んでいる傾向にある。つまり、これだけでも高配当の匂いを漂わせているのだ。
 また、今年は様々な要因が重なり益々、波乱を予感させている。その要因の1つとして、昨年のマイル戦GTで活躍したアサクサデンエンとハットトリックは揃ってドバイ遠征した事が挙げられる。2つ目の要因は、今年から新設されるヴィクトリアマイルに向けて、有力牝馬勢が阪神牝馬Sをステップとしているという事である。これにより、今年のダービー卿は実に手薄なメンバー構成になっている。しかし、手薄なメンバー構成だからこそ、『これならウチでも狙える!』と本気モードで臨む陣営なのか、そうではない陣営なのかの差が明確に把握できるのだ。本番を見据えた叩き台程度であると考えて仕上げるのと、絶対に勝ちに行くという考えで仕上げるのでは、その仕上げ方にも違いが出てくる。そして、まさに仕上げ方が明らかに変わった陣営がいるのだ。
 更に、その陣営にとっては、都合の良い事に前走での結果から、この馬にとってハンデも手ごろになる事も既にわかっている。間違いなく買いの情報なのだ。年齢的にも成長盛りで、マークが薄いと考えられる。
 また、このチャンスを活かそうとする乗り役の気合も全然違う事から、まさに巻き返す上での全ての材料・条件が整ったと言える。
 そしてもう1つ。おそらく上位人気になるであろう有力馬の中で、仕上がりは問題ないのだが、輸送でどうなるかわからないという陣営があるのだ。そこには、レース間隔的な事情もあり、全く予測できない状況であるということなのだ。またその一方で、ここをメイチの勝負として出走させる関東馬もいることが判明した。その陣営は、馬の状態から今後を踏まえて、レースに関係なく1つでも多く勝ち星を挙げていく事を大前提としている。ただ、私が見る限りでは陣営が考えるほど走れていないという訳ではないように思えるが、そこまで勝ち星を意識しているところを考えると、もしかしたら、引退を視野に入れているのかもしれない。
 このように切れる馬、切ってはいけない馬が明確になりつつある今年のダービー卿チャレンジトロフィー(G3)。その中で唯一言える事は、今年も配当妙味以外は考えられないという事だ。