--新設『ヴィクトリアマイル』にむけて-----

 昨年まで、古馬牝馬のGTと言えばエリザベス女王杯のみだった。
 このレースは2200Mと距離面から踏まえると、マイル適正を抱える有力陣営には厳しいというのが現状だった。
 しかし、今年から新設されるヴィクトリアマイルによって、マイル適正を抱える有力陣営にも大きなチャンスが巡ってきたと言える。
 その一方で、このGT新設によって陣営内で様々な思惑を引き動かしているのだ。その思惑の1つにローテーションがあげられる。
 本来であれば、GTを視野に入れた場合、どうしても賞金加算ということが各陣営の中に前提としてあげられるが、現在の古馬牝馬勢は、これまで中山牝馬や阪神牝馬といった重賞戦線で活躍しているという事もあり、殆どの陣営がヴィクトリアマイルへの出走権があると言っても過言ではない。
 となると、後はローテーションの問題だけとなり、そのステップとなるレースは、中山牝馬・阪神牝馬・福島牝馬の3つが妥当なところと言えるだろう。中でも、今週の中山牝馬Sに関しては、ヴィクトリアマイルに向けて極めて重要な1戦になるのだ。

--勝負の陣営と調整の陣営の見極めが馬券を大きく左右する!!-----

 中山牝馬Sはヴィクトリアマイルと同じ関東での出走となる。つまり、関東馬勢にとってみれば輸送の問題がなくレースに向けた調整だけでよいが、その反面、関西馬勢にとってみれば、レースのみに照準を絞ると輸送で思わぬ馬体重減ということにもなりかねない。
 それでも有力陣営の殆どがこの中山牝馬Sに出走をさせてくる予定だ。
 それはヴィクトリアマイルで勝つための思惑があるからなのだ。
 ある関西馬勢では、照準はあくまでもヴィクトリアマイルと示唆する有力陣営があり、この有力陣営はこれまでの実績から間違いなく、人気を抱える1頭と言って良い。その陣営が今回は単なる輸送での影響を試すだけと言っている。
 その一方で、関東馬勢では、輸送もある関西馬勢に絶対に負けられない、本戦を担う意味でもここで勝てなければ、本番でも厳しいと考える有力陣営もあるほど。
 つまり、人気を抱えるが叩き台として考える関西馬勢、人気に関係なくここで是が非でも勝っておかなければならない関東馬勢、この両者を見極める事こそ、馬券を獲る意味でも重要になる。
 ましてやハンデ戦の牝馬戦と考えれば荒れることは必至とも言える。
 既に目星はついているが、今後も数頭の思惑が把握出来そうだ。
 中山牝馬Sはその数頭以内での決着と見て良いだろう。