--ダートの怪物-----

 ダートの「ディープインパクト」と呼び声高い、怪物カネヒキリ。本格的なダート転向後は、圧倒的な勝ちっぷりで4連勝。前走の武蔵野ステークスでは直線豪快に伸びてきたものの出遅れが響き2着と惜敗。
 しかし、この敗北は今週のジャパンカップダート(G1)に多くの刺客をもたらすのではないだろうかと私は考える。ただ、どうしても気になる点がある事も事実。ダービーグランプリまでの3戦では、いずれも直線で抜け出し先頭にたったまま、ゴールというケースだったが、前走の武蔵野ステークスでは直線で先頭に立つことは出来ず、追う形となった。
 これは、芝を苦手とするカネヒキリがスタート時点の芝が影響で出遅れしてしまっただけとみて、果たして良いものだろうか?もしも、カネヒキリがダートのディープインパクトと呼ばれているのであれば、もっと着差を縮めても不思議ではなかったのではないだろうか。
 私は、ゴール前でカネヒキリ自身が敗北を確信し、追うことを辞めてしまったようにも見えた。

--ジャパンカップダートの刺客-----

 私だけではなく、各陣営も気づいているはずだ。今度は中央ダート界で輝かしい実績をもつ有力馬たちとの戦いになる。そして3歳のカネヒキリに比べ、7歳のタイムパラドックスや5歳のサカラート、4歳のパーソナルラッシュと経験豊富な績馬が多い。更には同世代でも前走でカネヒキリの連勝を止めたサンライズバッカスなど、カネヒキリの走りっぷりを知る陣営も数多く参戦。
 その中で刺客となるのは夏場順調に乗り込まれ、結果を残してきたあの実績馬を本命にあげる。おそらく好位から抜け出しをはかり、直線ではカネヒキリよりも先にハナにたつといった作戦で臨んでくるだろう。
 賢いこの実績馬なら、思いのままスムーズにレース運びをすることが可能であることも魅力の1つだ。