--馬券のポイントはサマーシリーズにある!!-----
今年創設されたサマーシリーズもいよいよ大詰めを向かえる。各陣営も、どのローテーションでどのレースに臨むのか頭を悩ませるところだろう。更に何よりも、秋を睨んだ賞金加算やローテーションも重要になってくることは言うまでもなく、互いにけん制しあいながら動向を把握し、そして、ここ一番で仕掛けてくる。前号でも記述した通り、夏競馬には、他の季節と異なる要因がいくつかある。その要因を最大限に活用して、どの陣営もここぞとばかり仕掛けてくるのが、ローカル開催中心のこの8月、最後の夏競馬と言っても過言ではない。当然、馬券を購入する側としては、あらゆるデータとともに、そのような業界事情も察知しなければ、的中・回収へと結びつける事は困難と言えるだろう。しかし、困難の中にもヒントがある。それはサマーシリーズだ。このサマーシリーズによって、日程変更はもとより、距離までも大幅に変更されたレースもある。つまり、例年通りのローテーションのままではいかなくなった陣営も必ず存在するはず。その陣営がどのレースに出走させてくるかが、馬券を大きく左右する鍵になると言える。また、通常は秋に向けたステップとして力のいる馬場にも関わらず、札幌記念を使う有力陣営が多いが、そこにも1つのポイントが存在する。
これら1つ1つのレースを徹底的に分析し、1つの結論、つまり陣営の狙いが把握できたとき、夏競馬の特大馬券を手にする可能性は非常に高いと言えるのだ。そこで、今回は前号に引き続き、どのレースがどのような狙いで、どの馬が有力なのか、毎回、楽しみにして頂いている方々のご期待に応えたいと思う。

--3回小倉2日北九州記念-----
大きなポイントは、日程変更と距離変更だ。毎年、このレースには小倉の怪物と言われるメイショウカイドウが出走していたが、メイショウカイドウは既に七夕賞(サマー2000シリーズ)で勝ち鞍をあげ、おそらく、この記事が出回る頃には小倉記念での出走を終えているはず。そのメイショウカイドウにおいては、その後の出走は未定となっているが、一部では、この北九州記念に出走させると言う関係者もいるほど。しかし、このレースはサマースプリントシリーズに位置付けられた事によって、距離が3ハロン短縮の1200Mになった事は言うまでもない。仮に小倉の怪物メイショウカイドウがこのレースに出走してきたとしても流石にこれほどまでの距離短縮をこなすのは厳しいだろう。そこで、このレースの狙い馬は、距離適正を活かした馬。中でも小回り巧者と言えるだろう。更に、小倉への長距離輸送を考えても、輸送を苦にしないタイプの馬が有力だと言える。

--1回札幌4日札幌記念-----
夏のGUは秋のGTに向けてという言葉が存在する通り、秋のGTに向けて賞金を加算する為には、非常に重要なレースとなっている。しかし、今年はまた1つ違う要素をかねている事も忘れてはならない。それはサマーシリーズの獲得ポイントにも大きく関わっている事だ。このサマーシリーズでは得点表に応じて点数が加算され、【合計13点以上、尚且つ1勝以上】の条件を満たした馬のうち、最も得点の高い馬がチャンピオンとなり、褒賞金5000万円を手にする事が出来る。その事を踏まえた場合、札幌記念はGUという事もあり、得点もGVより高くなる。明確に言うと、札幌記念での勝ち馬には、12点の得点が入り、札幌記念を制した馬が、仮に、この前後のシリーズ対象レースで6着以下(1点)であっても、それだけで条件を満たす形となるのだ。つまり、サマーシリーズのチャンピオン(褒賞金5000万円)を狙う馬、陣営にとってみれば、この札幌記念が勝負の分かれ目となるのだ。しかし、勝ちたいレースだったとしても、このレースは先にも述べたように、秋のGT戦線に向けた大事なレースでもある。純粋に秋を見据えて賞金加算を狙う有力陣営も始動してくる。よって、ここで勝つためにはGTを狙う1線級の有力馬と脚色を合わせなければならないのだ。ここに陣営の思惑・駆け引きが動く。他陣営の動向を踏まえ回避するか、出走させるか、各陣営にとっては1つの判断ミスも許されない局面を向かえる形になると言えるだろう。ただ、そのような中、メイチでこのレースに臨む陣営がいる。サマーシリーズのチャンピオンを狙う陣営に関しては、この後の新潟記念にも登録している。これは保険と見て良い。ところが、この陣営に関しては、今のところ新潟記念への登録が見受けられないとの事なのだ。しかしながら、まだGTを狙うには早すぎるような感じもする。とにかく、この陣営は要注意と言える。

--1回札幌6日キーランドC----- 格上レースは荒れる!
このレースはサマーシリーズの影響を受けて、GVへと格上げされる事となった。ここで思い出して欲しいのは、春に施行されたオーシャンS。このレースも今年から格上げされたレースだが、驚かされたのはその払戻だ。馬連で8万馬券、3連単では200万を超える馬券になった。この背景には格上げされた事によって獲得賞金がアップされ、GVでありながら、限りなくOP特別に近いレースという事から、各陣営にも賞金加算のチャンスが巡ってきた事があげられる。そして、出走チャンスのある馬の殆どは、格上げレースに出走させてくると言っても過言ではない。その影響は、当然レースにも出てくる。一番の影響は展開が大きく左右されやすいというところだろう。特にこのキーランドCはスプリント戦という事もあり、大逃げで一発にかけてくる陣営もいるはず。それによって、流れに乗れない馬や早く仕掛け過ぎたために、息が持たなくなってしまう馬など、様々な状況が浮上する。もちろん、その逆も十分考えられる事はもはや言うまでもない。
また、このレースの難点は何と言っても過去のデータがないというところではないだろうか。確固たるスプリンターが存在しない今なら、どの馬が来ても全く不思議ではない。まさに情報ありきのレースになる事は間違いないだろう。

この8月、そしてサマーシリーズ、全ては正確な情報を掴んだ者だけが勝者となると断言出来る。今回、記した情報はほんの一部に過ぎない。まだまだ、確信を掴んだ情報は存在するという事を忘れないで頂きたい。